『クワイエット・プレイス』
『クワイエット・プレイス』
おと
この映画はとにかく「音」でした。音を最大限に解釈して利用したそんな作品でした。とりあえず、大きな音を立てるとわけわかんない生命体に殺されちゃうんですが、最初に犠牲になるまでの流れがなんともかわいそうな流れです。スペースシャトルをみると悲しくなります。
最初から登場するのは父、母、長男、長女、次男の5人家族だけですし、基本的にこの5人とわけわからん生命体の間で話は進みます(あとは、おっさんとおばさん(の死体)も途中で出てきていい迷惑を起こします)。この生命体は洋画らしい(?)恐ろしくて見た目もグロテスクなやつなんです。この生命体はどうやら視覚は発達していないけれど聴覚はずば抜けた能力を備えています。運動能力も高く、高速で移動し、獲物に対する殺傷能力も極めて高いです。
父親は、この生命体の弱点を探りながら、地球上のほかの生存者と連絡を取れるか試み続けます近隣の生存者とは、決まった時間に狼煙ではないですが、火を燃やすことでお互いに確認を取り合う場面も登場します。話のスケールだけは世界レベルに広がりますが、基本はこの家族の暮らす農場とその周辺の自然や街が舞台です。
子供たちとの関係もドラマがあります。次第にわかることなんですが、長女は耳を不自由にしており、父親作成の補聴器のようなものをつけています。そんな彼女は父親からの愛情を疑っていたりもします。長男は長男で頼りなくも頑張ってます。次男はかわいいやつです。
物語の終盤から最後にかけて「音」を突き詰めた弱点に気づき、そして無双モードになりそうな情景が描かれます。残念ながら無双になったところは描かれていないんですよね。そこで終わるんだ~感はあります。
また、弱点に気が付くまでの流れはとにかく惜しいものです。気づくかな?気づくかな?と思わせぶりなシーンが複数ありますが、普通に裏切られます。ほかの伏線もいい感じに張り巡らされていて、しっかり回収しながらストーリーが進むので、その辺はよくできています。例えば、釘には注意したくなります。
絵面がぐろい生命体が苦手では無ければ(エイリアンとかプレデターとかみたいな)、お勧めできる作品でした。